日本のエース香西宏昭がドイツで進化。
苦境を乗り越え東京パラに挑む (2ページ目)
シーズン後半、そのことについて質問すると変化している香西がいた。いや、"進化"と言ったほうがいいのかもしれない。その違いは微妙で繊細だが、一歩も二歩も前に進んでいる様子だった。
「試合に出られるかどうかは、ヘッドコーチの考え方次第。僕たち選手はそれをとやかく言えないし、言うべきではない。だから僕はベンチでも、コートに出ても、自分ができること、やるべきことをしっかりと遂行するだけです」
そして、こう続けた。
「普段の練習もしっかりとやれているし、試合でも途中から出て、流れを変えることができている自信もある。だから今は『いつでも出られる準備はできていますから、どうぞいつでも声をかけてください。しっかりと自分の仕事をしますよ』という気持ちでベンチにいられるんです」
これまでにはなかった自信に満ち溢れている香西の姿がそこにはあった。そして、それが本物であることを3カ月後のラストゲームで示すことになる――。
5月、リーグチャンピオンの座をかけ、2戦先取で行なわれたプレーオフ・ファイナル。ホームゲームの初戦を落としたランディルは、冒頭でも書いた、18日の第2戦に背水の陣で臨んだ。
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