日本のエース香西宏昭がドイツで進化。
苦境を乗り越え東京パラに挑む (3ページ目)
いつものようにベンチスタートとなった香西は、これまでと変わらず、一番大きな声でコート上のチームメイトを鼓舞しながら、いつ出番が来てもいいように心身ともに準備をしていた。
すると、第2Q(クォーター)のスタートで交代が告げられた。きっかけはフィリップ・ハフェリ(スイス)が、すでに2つのファウルを犯していたことによるものだろう。だが、欧州クラブ選手権の準決勝、リーグプレーオフ・ファイナルの初戦では、同じ相手に前半で離されたことが敗因となっていたため、早めに流れを引き戻したいという考えが指揮官にはあったはず。その思いを託されたのが、香西だった。
すると、次々とシュートを決め、スタンドを埋め尽くした対戦相手のブルズファンの度肝を抜いた。フィールドゴール成功率は80%を誇り、3Pを含む9得点を挙げた。この香西の活躍で勢いに乗ったランディルは逆転に成功し、41-35と6点リードで試合を折り返した。
しかし、今シーズン一度も黒星のない百戦錬磨のブルズは後半に猛追し、3Qを終えて2点差に迫った。そしてついに第4Qで並ぶと、一気にギアを上げ、再び勝ち越した。ランディルも香西がこの試合3本目となる3Pを決めるなど最後まで粘りを見せるも、70-73で敗れた。
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