東京パラリンピックの金メダル候補が語る「東京の街への期待」 (4ページ目)

  • 吉田直人●取材・文・写真(人物)text&photo by Yoshida Naoto
  • 越智貴雄●写真(競技) photo by Ochi Takao

■「東京の街」への期待

 取り組む種目すべてで世界最高水準の記録をマークし、飛躍の年となった2018年。しかし、息巻いた様子は見せず、低い声で淡々と話す。

「まずは100mの平均値を高水準で維持することが目標だ。200mは今より速く走りたいし、幅跳びでは8mを超えたいけど、"挑戦すること"を増やしすぎたくはない。リチャードやジョニー(ジョニー・ピーコック/英国・ロンドン、リオの100m優勝者)が当然ライバルになってくる。ジョニーには今シーズン一度勝っているので、来シーズンに向けて自信を持っているよ。東京では、その時にできる最速の走りを見せるつもりだ」

 フェリックスは、2019年にドバイで行なわれるパラ陸上世界選手権を経由し、東京パラリンピックへ向かう。東京の街に期待することは「人々が作り出す雰囲気が素晴らしくあること」だという。

「さまざまなことをつなぎ合わせるスポーツ」

 フェリックスはパラスポーツをこのように捉えている。

「どうやって競技をしているんだ? パラスポーツを観た人はそんな感想を持つことだろう。"不可能"が"可能"になり、"可能"が期待を上回っていく驚きを感じるかもしれない。パラスポーツはそんなメッセージ性を持つ競技だと思う。日本はパラスポーツの浸透に向けてとてもいい方向に向かっている。僕たち現役のパラアスリートにできることは、最高の試合をすること。観客の皆さんには、純粋に"スポーツ"を楽しんで欲しいと思っているよ」

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