2018.11.04

車いすテニス界の新星は、
国枝慎吾に憧れ「元気づけられる人」を目指す

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 女子車いすテニスのジュニア世界ランキング1位(※)は日本人だ。船水梓緒里(ふなみず・しおり/麗澤高/三菱商事)は、幼いころからスポーツ少女だった。まずは「投げたり、打ったりするのが好きで」野球に挑戦。テニスは小学4年の時に、自宅がある我孫子市の隣の柏市にある、吉田記念テニス研修センター(TTC)で体験したのをきっかけに、楽しむ程度でプレーをするようになった。進学した中学でも活発さは変わらず、野球経験を生かしてソフトボール部に所属。ソフトボールに熱中し、毎日いきいきと白球を追った。

早朝から練習に励む船水梓緒里選手 そんな船水は中学1年のとき、家族旅行でハワイを訪れた際、初めて体験したサーフィンで脊髄を損傷し、車いすの生活になった。それでもリハビリの甲斐あって、自力で歩くことは難しいが、立つことはできるようになっている。その後は、中学のソフトボール部にも復帰することができた。車いすテニスは、男子の世界王者・国枝慎吾(ユニクロ)の試合を観戦し、憧れてスタート。国枝と同じTTCに再び通い、高校も国枝の母校に進学した。

 車いすテニスを始めて2年が経った2016年5月、日本で開催された「車いすテニス世界国別選手権(ワールドチームカップ)」にジュニアクラス日本代表4人のひとりに、女子選手で唯一選ばれた。8カ国のうち、日本は開催国枠で出場。船水を含め、全員が日本代表として試合に出場するのが初めてという大舞台だったが、順位決定戦ではロシアを相手に全員が勝ち星を挙げ、7位と健闘した。

 この大会での経験が、船水に大きな刺激を与えた。