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パラアイスホッケー、メダル獲得への力試し。
平昌パラ前哨戦に挑む (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

 一方、チェコのキーマンとなるのは、GKのミハエル・バペンカだ。チェコ代表の守護神として、長年ゴールを守る。競技中は座った状態とはいえ、身長190cmを超える彼がポジションにつけば、正対してシュートを狙ってもなかなか決めることができない。対日本戦に限って言えば、バペンカは2010年バンクーバー大会以降、無失点記録を更新し続けている。

「どれだけゴール前で数的優位な状況を作り、横に振れるかがカギになる」(高橋)わけだが、チェコのプラスアルファの強みはチームメイトが持つ、このバペンカへの絶対的な信頼感だ。ゴール前の守備を固め、遠くからオープンに打たせさえすれば、あとは彼が処理してくれる、というプレーヤーの安心感が見ていても感じられる。そしてそれを実現させているのが、ディフェンス陣の攻防の読みの速さや詰めの巧さだ。このあたりは、さすが"アイスホッケーの国"といったところだ。

 日本は最終予選でチェコに0-1で敗れている。2016年12月の世界選手権Bプール決勝で0-6だったことを考えれば、この1年で強化してきたディフェンスが機能し、失点も最小限にとどめており、差を詰めつつあるといえる。だが、先に述べたようなバペンカを脅(おびや)かすようなプレーは繰り出せず、緩急をつけた攻めには課題が残った。1月の大会ではチェコ攻略のカギをしっかりと掴み、パラリンピックに向けて精度を高めていきたいところだ。

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