平昌への死闘。パラアイスホッケー日本代表が
存亡をかけ最終予選に挑む (2ページ目)
今大会の直前にはチェコの国内リーグが開幕し、チェコとスロバキアの選手が参加。ノルウェーで開かれたテストマッチにはスウェーデン、ドイツが参戦しており、それぞれ実戦感覚を養ってから本番に臨んでくる。今大会は5分の3が出場権獲得と、確率でいえば悪くないが、日本にとっては厳しい戦いになるだろう。
日本はこの4年間、もがき苦しんできた。バンクーバー大会時も少数精鋭だったが、あれから7年が経った今も国内の競技人口はやはり約30名と少ない。競争原理が働きにくい環境で、世代交代も思うようには進まなかった。加えて、ソチ大会出場を逃したことで、海外勢との試合の機会が減少。陸続きで試合を組みやすいヨーロッパ勢と比べるとその数は圧倒的に少なく、国際マッチでしか吸収できない試合勘が不足していることは否めない。ただ、今年はチェコ遠征や、韓国とイタリアとの親善試合などを重ねてきており、その経験を本番に生かしたいところだ。
また、今回の最終予選は、競技人口が少ない日本にとって、"未来をかけた戦い"でもある。日本チームの平均年齢は41.5歳。もし今回、再びパラリンピックの出場を逃せば、国内での競技衰退は免れないという声もある。チームを牽引するキャプテンの須藤悟(北海道ベアーズ)は、「どうしても勝ち抜かなくてはいけない大会。腕を1本落とそうが、足をもう1本落とそうが、使命と覚悟を持って戦う」と、厳しい口調で意気込みを語る。
日本の試合スケジュールは、9日にドイツ戦。10日にスウェーデンと当たり、2日間のオフを挟んでスロバキア戦、最後にチェコ戦と続く。総当たりの今回、やはり鍵になるのが最初の2試合だ。ドイツもスウェーデンも、世界選手権Aプールで敗れたとはいえ、世界のトップとしのぎを削ってきたアドバンテージは大きい。後半にかけて調子を上げていくタイプの日本にとっては、このドイツ戦、スウェーデン戦でミスをせず、自分たちのプレーができれば光が見えてくる。ここで勝ち点を手にし、スロバキア戦への弾みをつけたい。
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