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悲願のメダル獲得へ。ウィルチェアーラグビー、
怒涛の合宿&残り3カ月で克服すべき課題 (2ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 Miyazaki Toshiya
  • 加藤よしお●写真 photo by Kato Yoshio

 強烈なタックルを受け、ディフェンス網がズタズタに切り裂かれ、オフェンスでは前に進めずボールを奪われてターンオーバー。優勝したオーストラリアとの対戦だけでなく、4日間で行なわれた7試合すべてで日本を何度も襲った屈辱的なシーンだ。

 大事な場面で繰り返されたミス、リオに向けて試行錯誤を繰り返す新ラインのコミュニケーション不足やタイミングのズレ、パスの精度、リードされた場面でのメンタル面の弱さなども課題として挙げられたが、突き詰めればそれらはすべてフィジカル面の弱さが原因となっている。

 会場に響き渡る、車椅子同士の"ガツン"という激突音が象徴する激しさが魅力のウィルチェアーラグビーだが、ポジショニングや残り時間の使い方、制限時間を止めるタイムのかけ方など、選手の頭脳的なプレーも勝敗を分ける大きなカギ。ところが、池崎が言うようにフィジカルで負け、疲れていてはその能力は下がるばかりだ。

 さらに、ウィルチェアーラグビーはポイント制。最も障がいが重い0.5点から最も障がいが軽い3.5点まで0.5点刻みに7段階のポイントが選手ごとに設定され、コートに立つ4名(ライン)は合計ポイントが8点以内となるように構成しなければならない。現在の日本代表には3.5点の選手はおらず、ハイポインター3.0点の池崎と池透暢、ローポインター1.0点の若山英史と今井友明の4名が組む"ハイ・ローライン"が最強のファーストラインだ。

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