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パリ五輪のメダルラッシュから2年、日本フェンシング界はどう変わったのか 金メダリストがアジア競技大会を展望 (3ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文 text by Junichi Shiratori

──再び強さを取り戻すために必要なことは?

宇山 個人的には、団体戦でアンカーを任される加納選手への負担が大きすぎるように感じました。リードを許した状況で加納選手の出番が回ってきて、焦りやストレスもあってプレーが崩れてしまうシーンも見られました。

 アジア競技大会では、かつて日本チームを世界トップレベルに導いたコーチ、オレクサンドル=ゴルバチュク氏が率いるカザフスタンとの対戦も予想されます。直近の団体戦では連敗している相手ですが、それぞれの役割を見定め、戦術を磨いていくこと。そして、加納選手や山田選手が崩れた時にカバーできるような体制作りが求められるように感じます。

──パリ五輪の団体で金メダルを獲得した男子フルーレは、世界選手権の個人戦で飯村一輝選手が銅メダルを獲得。しかし、団体戦では4位でした。

宇山 パリ五輪に出場した飯村選手、松山恭助選手、永野雄大選手に、馬場俊輔選手が加わって選手層に厚みが増しましたが、高いレベルの競争が繰り広げられるようになったことで、かえって選手間の役割や起用法が定まらず、選手それぞれが自身の役割を探りながら団体戦に臨んでいるようにも感じました。

 チームの合計得点で勝利が決まる団体戦では、個人では力が及ばない選手との対戦(セット)で、必ずしもリードを奪い続ける必要はありません。上手に時間を使いながら得点差をつけられないように粘り強く戦ったり、さまざまな戦術を使うことで格上の選手の焦りやミスを誘うことも非常に有効ですが、外から見ているとまだまだ相手の勢いを抑え込めない試合もある。そのあたりが伸びしろだと感じています。

 今大会では、五輪2連覇中の張家朗(チョン・カーロン)選手を擁し、近年盛り上がりを見せている香港と対戦する可能性もあります。そこに向けて選手個人を分析したうえで、プレーに変化をつけるなど、個人戦とは異なるチームならではの戦い方を整備して臨んでほしいですね。

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