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佐藤慎太郎が描く引き際の美学「弱くなる自分も見せたい」 50代の競輪人生に影響を与える伏見俊昭の死にも言及 (3ページ目)

  • text by Sportiva

 ファンのために勝利を届けたい――。その思いが大前提としてありつつも、競輪選手としての勝ち方にはプライドもある。

「競輪には同じ勝利でもかっこ悪い勝ち方があると思っています。勝てば何をしてもいいかというとそうではないのが競輪。どんな勝ち方でもいいんだと思ってしまったら、自分勝手なレースになってしまって、その地区はどんどん弱体化してしまいます」

 競輪には同県や同地区、練習仲間などが連係して走るライン(チーム)があり、選手たちのほとんどはラインでの上位独占を狙う。ラインにはそれぞれに役割があるが、佐藤が担う追い込み選手のひとつの仕事が、別のラインがまくりに来た時にヨコに動いてスピードを遅らせたりして、先頭を走る自力選手の邪魔をさせないようにすることだ。

 それぞれが役割をこなさないと、ラインは弱体化し、勝利から遠ざかっていくため、仕事をこなせない選手は、同県、同地区での評価も下がってしまう。佐藤が若くして追い込み選手となり、先輩から厳しい言葉を浴びせられても評価され続けてきたのは、その役割・仕事を完璧なまでにこなしてきたからに他ならない。

 佐藤は、追い込み選手として一目置かれる存在になるために、ひとつひとつの結果と信頼の積み重ねを大切にしてきた。だからこそ、今、若手に伝えていることがある。

「このレースのゴールラインは次のレースのスタートラインなんだ」

 そして佐藤はこう続ける。「競輪選手でいる以上は、『これからしばらく休める』という気持ちにはならないです」。彼が日々限界突破を目指してトレーニングを積む理由は、こんなところにもあるのだ。

確固たる競輪道を持つ佐藤。ファンから絶大な支持を得ている photo by Sunao Noto(a presto)確固たる競輪道を持つ佐藤。ファンから絶大な支持を得ている photo by Sunao Noto(a presto)この記事に関連する写真を見る

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