「ヒジの状態は10%」でも脇本雄太がGⅠ全日本選抜競輪を連覇 決め手は2日前のレースと寺崎浩平の覚悟 (2ページ目)
先頭から寺崎、脇本、古性、三谷の近畿勢。その後ろに郡司がつく photo by Photoraidこの記事に関連する写真を見る 隊列も落ち着き、残り2周となったところで先頭の寺崎がしきりに背後を振り返ると、後続の動きを待つことなくグッと加速する。
この動きの布石はスタールビー賞にあった。寺崎を先頭に脇本、古性が続くという決勝と同じ3名の並びだったが、この時には打鐘のタイミングで郡司に進出を許していた。1着こそ古性がさらったものの、ラインは完全に崩れてしまっていた。
「生半可なペースだと郡司さんが中団からラスト1周にめがけてくると思ったので、今度は郡司さんに来られないよう、しっかりと主導権を取ろうと思っていました」
レース後、寺崎はラインの先頭を走る者として「勝てる組み立て」を狙った覚悟の加速だったことを明かしたが、その気持ちは背後の脇本にしっかりと伝わっていた。
「2日前の失敗があったからこそ、残り2周の1コーナーで(寺崎の狙いを)察知しました」
言葉にせずとも伝わる覚悟と絆でつながった近畿勢は打鐘を受け、さらにスパートをかける。バックストレッチで脇本が抜け出し、その背後をぴったりと古性が追う。選手が「壁に向かうよう」と形容するほど急なカント(勾配)の最終コーナー、そしてホームストレッチでもマッチレースは続いたが、最後までその差が縮まることなく、脇本が3/4車身の差をつけて11回目のGⅠ優勝を決める決定線へと飛び込んだ。
ゴール付近。脇本が猛々しく駆け抜けた photo by Photoraidこの記事に関連する写真を見る
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