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競輪のトップ9・寺崎浩平が負けたくない相手とは 近畿の先頭が実は「遠回りのようで一番の近道だった」とGⅠ初優勝にも言及 (3ページ目)

  • 加藤康博●文 text by Yasuhiro Kato

 競輪への専念直後は、自転車への乗り方や機材の選択が定まっていなかったが、2024年からはそれもうまくいくようになる。

「もともと練習では強くても、レースで緊張感が悪い方向に出て、動きがぎこちなくなったり、力を発揮できないことが多くありました。ただ2024年の後半から強い選手と戦うことが楽しめるようになったと思います。競輪の難しさ、奥深さをまだ学んでいる最中ですが、2025年は少しずつ自分の形ができ始めました」

 2025年のGⅠ制覇はその成果のひとつ。そして自分の可能性を大きく見出した1年だったと振り返る。

自転車漬けの日々を送る寺崎 photo by Photoraid自転車漬けの日々を送る寺崎 photo by Photoraidこの記事に関連する写真を見る

【目指すはタイトルを獲り続ける選手】

 トレーニングでは自分の数値を可視化し、科学的な視点で負荷を変えながら取り組む。ナショナルチーム時代に取り組んだトレーニングをベースとし、自分で発展させてきた鍛錬が寺崎のダッシュ力とトップスピードの高さを生み出している。今、目指すのは、競輪選手として多様な動きと戦術に対応できる力の獲得だ。

「脚力だけならば、もうグランプリを獲ってもおかしくないと自分でも確信しています。ただ競輪IQや位置取り、横の動きなどが足りていません。そこを学んで総合力のある選手になることが今の目標です」

 同じ福井には史上初めて、GⅠすべてとグランプリを制し、グランプリスラムを達成した脇本雄太(福井・94期)がおり、また近畿地区には過去2度、グランプリを制している古性優作(大阪・100期)がいる。

 彼らと連携することも多く、ともに走る緊張感が寺崎を成長させてきた。「脇本さんは偉大な先輩。一番強い勝ち方をする選手なので、学ばなければいけない点が多々あります。また古性さんは自分が足りないところを備えているので、大阪まで練習に行って学ばせていただくことも多いんです」と語る。

 慎重かつ、丁寧に言葉を選ぶその姿からは、自分を発展途上と捉えると同時に、さらなる強さへの可能性を見出している様子がうかがえる。それも競輪の難しさ、奥深さを極めたいという思いがあるからこそだ。

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