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ヒロド歩美の原点はヨット部時代にあり? 「泣きながらおにぎりを食べた」過酷な日々が「今の私をつくってくれた」 (4ページ目)

  • 堤 美佳子●構成 text by Tsutsumi Mikako
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【頑張ることがダサいなんて思わないで】

ーーヨットをやめられたあとは、バレーボール部に入られたそうですね。個人競技からチームスポーツへ、大きな転換だったのでは。

 ヨットは個人競技だったので、チームで戦うことにすごく憧れがありました。ただ、部活動にそこまで力を入れている学校ではなかったので、入部したバレーボール部も厳しいものではなかったです。それでも、仲間と声を掛け合い、一緒に勝利を目指す楽しさは、ヨットとはまた違う、かけがえのない経験でした。

ーー個人競技と団体競技の両方を経験され、さらに現在は高校野球をはじめとする多くのスポーツ現場を取材されています。そのヒロドさんから見た「部活動の魅力」とは何でしょうか。最後に、今、部活に励む若者たちへエールをお願いします。

 高校野球がなぜあれだけ多くの人を熱狂させるのか。それは、球児たちの「泥臭さ」が、見る人の心を震わせるからだと思うんです。全力でベースに走ってスライディングしたり、カメラ席に飛び込んでまでボールを捕ったり。そういうひたむきな姿って、理屈抜きでカッコいいじゃないですか。それは高校野球に限らず、サッカーでも他の競技でも同じだと思います。

 だから今、部活を頑張っているみなさんは、「頑張ることがダサい」とは思わないでほしいなと心から願っています。周りの目が気になったり、そう感じてしまったりする気持ちは、私にも覚えがあります。でも、何かに一生懸命打ち込む姿は、本当に尊くて美しい。その経験は、競技の結果がどうであれ、必ず将来の自分を支える力になります。ぜひ、今しかできないその時間を、全力で楽しんでほしいと思います。

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<プロフィール>
ヒロド歩美 ひろど・あゆみ/1991年10月25日生まれ。兵庫県宝塚市出身。早稲田大学国際教養学部卒業後、2014年に朝日放送テレビ(ABCテレビ)入社。2016年に『熱闘甲子園』のキャスターに就任。その後は『サンデーLIVE!!』『芸能界常識チェック!〜トリニクって何の肉!?〜』『芸能人格付けチェック』などに出演。2023年からフリーとなり、現在まで『報道ステーション』のスポーツキャスターを務めている。

著者プロフィール

  • 堤 美佳子

    堤 美佳子 (つつみ・みかこ)

    ライター・編集者・記者。1993年、愛媛県生まれ。横浜国立大学卒業後、新聞社、出版社を経てフリーランスとして独立。ビジネス誌を中心にインタビュー記事などを担当。学生時代は埼玉西武ライオンズ一筋で、現在はラグビー観戦にハマりつつある。

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