検索

石井寛子が最後方から抜きさり2度目のガールズグランプリ制覇 レース中「いい位置すぎて、この状態はなんだろう」と驚き (2ページ目)

  • 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro

最後のホームストレッチで先頭に立った石井(7番車・橙色) photo by Takahashi Manabu最後のホームストレッチで先頭に立った石井(7番車・橙色) photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る

「これまでグランプリでは前で勝負して勝てないことが続いていたので、今年は後ろからの我慢のレースにしました。最終(周回の)バック(ストレッチ)で2番手になって、いい位置すぎて、この状態はなんだろうと。冷静にいつもどおり焦らず走れば、このまま突き抜けられるかなというイメージがありました」

 狙い以上の位置取りに成功し、最後の直線で前に出る鮮やかな勝利だったが、優勝を実感したのはフィニッシュ後、かなりたってからだったようだ。

「ゴールしてからも夢のような感じだったので、『やった、優勝した』っていう感覚ではなかったです」

 グランプリは11度目の出場。通算勝利数、通算優勝回数ともにガールズケイリントップの数字を誇る百戦錬磨の石井寛子でも、夢見心地になる優勝劇だった。

【2025年も感謝の気持ちを持って】

 石井寛子は2013年5月にデビュー。その年からガールズグランプリには10年連続で出場と常にガールズケイリンのトップを争うところで戦い続けてきたが、昨年は次点で出場を逃している。

「昨年は8位の補欠でしたので、グランプリが行なわれた立川競輪場には行きました。私は10年間ずっと12月はグランプリに向けて練習をしていたんですが、それと同じように29日にピークを持っていけるようにトレーニングをして準備をしましたが、走ることなく帰ったんです」

 再度のグランプリ出場へ向け、気持ちを切り替えて臨んだ今季。1月に前人未到のガールズケイリン600勝を成し遂げるなど好調だったものの、夏にかけて一時、調子を落とした。だが、9月からは再度、勝利を重ねることに成功。GⅠのタイトルは手にできなかったが、賞金ランキング6位の成績を収め、最高峰の舞台に戻ってきた。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る