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パリ五輪での自転車・太田りゆと陸上・田中佑美の奇跡的な偶然の一致 同日レースで初戦2組目5着、敗者復活戦の妙 (3ページ目)

  • text by Sportiva

――そしてふたりとも見事に出場権を獲得しました。その時の状況を教えてください。

太田 発表の日は、全員が(練習場の)伊豆ベロドロームのピット内に座って、(日本自転車競技連盟選手強化スーパーバイザーの)中野浩一さんがひとりずつ名前を読み上げていきました。女子短距離のメンバーが最後に呼ばれたんですが、私はその中でも一番最後。大丈夫だとは思いつつ、名前を呼ばれるまではドキドキでした。呼ばれた時にはホッとしましたね。

田中 私の場合は、ワールドアスレティックス(世界陸連)のホームページでランキングを随時更新していて、この日に最新情報を更新しますというのが決まっていました。私も関係者もそのサイトを見続けていたんですけど、とうとう寝るまで更新されませんでした。ふと夜中、目が覚めた時に検索したら39番でした。

――やはりうれしかったですよね。

田中 最初はよかったですね。そこから「大丈夫かな」というターンに入りました。わかりますか?

太田 選ばれた時の「よしっ」という気持ちは一瞬で、今度はオリンピックという事実が襲ってくる。

田中 うれしさは本当に一瞬です。1日とかではなくて、「うん」くらいの気持ち。出場権を与えられてしまった。次に何をしようと。

【ポジティブに捉えた敗者復活戦】

――それはやはり当事者でないとわからない感覚ですね。パリ五輪ではともに大会の終盤にかけて競技が行なわれました。パリ五輪の開会式や盛り上がりをどう感じていましたか。

田中 私は開会式を一切見ていないですね。まだ日本にいましたし、練習もあったので、深夜に起きて見るのは厳しいなと思って寝ていました(笑)。感覚としては、まだテレビの中の世界でしたね。

太田 私はフランスの事前合宿地にいて、みんなでそろってホテルで開会式を見ました。日本代表団が出てきたところで、テレビの前でみんなで写真を撮りました(笑)

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