日本フェンシングが「交代選手」の活躍もあってパリ五輪でメダルラッシュ その熱を今後にどうつなげるべきか (3ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文 text by Shiratori Junichi

 今回のパリ五輪で日本人選手がメダルを獲得する姿を目にした子どもたちのなかには、フェンシングの魅力に気づいて、実際の競技を始めてくれる子がいるかもしれません。それは本当にすばらしいことだと思いますし、僕らも『フェンシングでメダリストになりたい』という夢を叶えられるような競技環境を、さらに整えていかなければならないと感じています」

――最後になりますが、パリ五輪で活躍された後輩やこれからのフェンシング界に期待することがあればご意見を聞かせてください。

「僕は3年前の東京五輪・エペ団体で金メダルを獲得したあとに引退し、今は自身の会社を経営しながら、いろいろな形で競技の普及活動を進めています。僕は3年前に『メダリスト』と呼ばれるようになり、それによって周囲からの視線にもさまざまな変化があることを感じました。

 今回のパリ五輪で活躍した選手のみなさんも、競技の魅力を自身の言葉で伝えなければならない場面に直面したり、これまで関わりがなかった環境に踏み入れる場面が増えていくのではないかと思います。そこで各々のキャラクターを大切にしながら、フェンシングのすばらしさを発信していってほしい。メダルラッシュを追い風に、競技の明るい未来を築き上げていってほしいなと思っています」

【プロフィール】
宇山賢(うやま•さとる)

1991年12月10日生まれ、香川県出身。元フェンシング選手。2021年の東京五輪に出場し、男子エペ団体において日本フェンシング史上初の金メダルを獲得。同年10月に現役を引退。2022年4月に株式会社Es.relierを設立。また、筑波大学大学院の人間総合科学学術院人間総合科学研究群 スポーツウエルネス学学位プログラム(博士前期課程)に在学中。スマートフェンシング協会理事。スポーツキャリアサポートコンソーシアム•アスリートキャリアコーディネーター認定者。

【フォトギャラリー】江村美咲、パリの勇姿/パリオリンピック女子フェンシング

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