パリオリンピック帰り即レースの佐藤水菜が女子オールスター競輪で優勝 3日間連続1着、9車身差の圧勝に一同白旗 (2ページ目)

  • 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro

 そして迎えた決勝。残り1周半となった第3コーナーで坂口楓華が最後尾7番手から仕掛けると、5番手にいた佐藤が反応し、一気にポジションを上げていく。残り1周を先頭で入ると、そこから他の選手の追随を許さずゴールまで駆け抜けた。

「1コーナーからすごく声援は聞こえました。自分でも調子いいなと思いながら、バックストレッチでもすごく声援が聞こえて、さらに加速できて。ゴール前のきついなって思ったところも声援があり、踏ん張りきることができました」

 ファンの声が後押しになったと記者会見場で笑顔をのぞかせた。ゴール後、大きく手を広げ喜びを表現 photo by Takahashi Manabuゴール後、大きく手を広げ喜びを表現 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る

【それぞれのオールスター】

 2着はこちらもオリンピアンの太田りゆ。残り1周で佐藤の後ろにつき、「追い込みにいくタイミングは、自分ではバッチリだと思ったんですけど」と狙いどおりの動きだったが、その背中には届かなかった。プロデビュー直後から自転車競技に軸足を置いていたが、今後はガールズケイリンに絞って活動していく予定だ。

「仕掛けも下手だし、気持ちの上げ下げもあるので、ファンのみなさんにたくさん応援していただいて、盛り上げてもらいながら頑張りたいです」と前を見据えた。

 3着は日野未来。「つき切れなかったです。ちぎれました(笑)。すごいトルクとスピードでした」と同期の佐藤の強さに白旗をあげた。ただそのスピードに対応できないと見ると、上がってきた太田の背後につくレース巧者ぶりを発揮しての3着は見事。初日のドリームレースで佐藤、太田のオリンピアンふたりに割って入る2着、2日目も3着と3日間を通じてすべて3着以内にまとめた。「成長を実感できました。公営競技を代表する選手になれたと思います。今はまた帰って練習しなきゃって気持ちです」と笑顔で手応えを口にした。

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