「生まれ持ったものが違う」プロビキニ選手・MIHARUが感じた世界の壁 それでも表現したい「体を鍛えることの幸せ」 (2ページ目)

  • 武松佑季●取材・文 text by Takematsu Yuki
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

【ビキニフィットネスを通じて表現したいこと】

ーーIFBB会長がその肉体に惚れこんだというMIHARUさんでも、なかなか世界との戦いは厳しいものなんですか?

 現在も年1回、多くて2回ほど「プロショー」には出場していますが、賞金をもらえたのが2017年9月に出場した「プロアジアングランプリ」4位をとった時くらいで、トップ3には入ったことがありませんね。

ーー世界最高峰の大会「ミスター・オリンピア」に出場してみたい気持ちは?

 正直な話、ないんですよ。自分自身がこの世界に携われば携わるほど、骨格やそれ以外の部分でもトップにいくのが難しい現実に直面しています。つまり、「オリンピア」に出場して上位に入るポテンシャルが私にはないと思っています。

「IFBBプロ」として国際大会にも出場してきた 写真/本人提供「IFBBプロ」として国際大会にも出場してきた 写真/本人提供この記事に関連する写真を見るーーMIHARUさん自身、大会の結果よりもビキニ競技を通して大事にしていることとは?

 ビキニ競技を7年間やって思ったのは、根を詰めすぎると反動がきて、体を壊すしメンタル面にもよくない。とくに女性の場合は、ホルモンバランスを崩して生理不順につながるとも言われています。

 私の競技者としての生き方や体づくりを応援してくれる人たちに、そういう無理がある状態で競技を続けるのが美徳だと思われちゃいけないなと思っています。

 いろんなものを犠牲にするよりも、競技を通して自分の人生を幸せにしていく。競技がすべてではなく、競技生活と自分の人生のバランスを考えて、「体を鍛えることが人生にとっていいスパイスになっているんだよ」ということを、ビキニを通して表現していきたい。

筋トレに目覚める前の20代のMIHARU 写真/本人提供筋トレに目覚める前の20代のMIHARU 写真/本人提供この記事に関連する写真を見る

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