「ママ、笑ってないよ、毎日つらそう」学生結婚のち出産後に離婚...廣中れなはビキニフィットネスに挑むことで笑顔を取り戻した (3ページ目)
【背中で見せる、がんばる母の姿】
では子育てはどうか。現在、トレーナーとして働きながら、自身もコンテスト出場のために、往復6時間もかかる兵庫のジムに通うこともあり、子どもと過ごせる時間は多くはない。
「ジムに行っている間は会えないですけど、私の考えとしては、トレーニングと同じで長くいることではなく、一緒にいる時間の質が大事だと思ってます。仕事で忙しくて会えなくても、会える時間を大切にすることを心がけています」この記事に関連する写真を見る 親子の絆は深い。
「2年くらい前は私に余裕がなくて、子どもと向き合う時間をつくってあげられず、荒れてしまった時期もあったんです。でも会える時間に『この時期は大会があってなかなか一緒にいられないけど、終わったら旅行に行こう。おいしいもの食べに行こう』とか『今は我慢させてごめんね』とコミュニケーションをしっかりとれるようになってからはそういうこともなくなりました」
ちなみに、息子たちはふたりとも空手教室に通っているという。習い事も勉強も、親が頭ごなしに「がんばれ」と言っても子どもがおとなしく聞くものではない。だが、母親もがんばっていれば話は別だろう。
「まずは母親が手本を見せないと、とは思ってます。今度、子どもたちが空手の大会に出場するんですけど、私も大会があって、見に行ってあげられないんです。だから『お母さんも頑張るから、一緒に優勝して帰ってこようね』と約束してます」2023年8月開催の西日本ビキニフィットネス選手権でオーバーオール優勝この記事に関連する写真を見る 結果、廣中は西日本選手権をオーバーオール(全出場選手中)優勝。子どもたちに大きな背中を見せることができた。9月10日に開催される「オールジャパン」へ向けて、順調だ。今年の彼女の目標は、もちろん「打倒・安井友梨」。しかし、「オールジャパン」後に、もうひとつ人生のなかで大きなイベントがある。
「今年中に自分のサロン兼ジムをオープンする予定なんです。まずは鳥取で、先々には兵庫にも進出できたらと思っています」
トレーニングに子育てに経営に......多忙な日々も、ビキニフィットネスを通して取り戻した笑顔できっと乗り越えられるはずだ。この記事に関連する写真を見る終わり
前編<「シングルマザーがやることじゃない」親の大反対を説得→涙の表彰台へ ビキニフィットネス・廣中れなは女王・安井友梨に「勝って優勝したい」>を読む
撮影協力/マックスジム(兵庫県加古川市)
【プロフィール】
廣中れな ひろなか・れな
1990年、鳥取県生まれ。30歳からボディメイクを本格的にスタートさせ、2021年、2022年のJBBF主催「オールジャパン フィットネス チャンピオンシップス」ビキニフィットネス・163センチ超級に連続出場し、2022年は準優勝に輝く。
著者プロフィール
武松佑季 (たけまつ・ゆうき)
雑誌ライター。1985年、神奈川県秦野市生まれ。編集プロダクションを経てフリーランスに。インタビュー記事を中心に各メディアに寄稿。東京ヤクルトファン。サウナー見習い。
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