「選手を糸で操る」感覚でレースを支配 佐藤水菜がアジア選手権のケイリンで二連覇 (4ページ目)

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【2年間悔しい思いをしてきた】

――今回のアジア選手権を総括して感じることはどんなことですか。

 自分のコンディションは60%くらいだったんですけど、それでもある程度戦えることがわかったので、まずまずの出来だったかなと思います。

――ジェイソン・ニブレット短距離ヘッドコーチからのフィードバックはありましたか。

 ケイリンに関しては技術面のフィードバックがあって、いい意見交換ができました。ケイリンの予選、準決勝ともパーフェクトという最高の誉め言葉もいただきました。ケイリンに関しては基本的にいつも誉めてくれるので、すごくうれしいですね。あとは世界選手権に向けてどういう戦略でいくかという話をしました。

――その世界選手権が8月3日から開催されます。ここでの目標を教えてください。

 狙っているのはケイリンで優勝すること、正直それだけです。アルカンシェル(世界チャンピオンジャージ)を獲りたい。あの虹色のジャージ、着たいですね。2年間すごく悔しい思いをしているので()、今度こそという思いはすごくあります。
※2021年、2022年とも世界選手権のケイリンで銀メダルを獲得

 優勝するためには、まだまだ脚力だったり、フィジカル的に足りない部分が多いので、1日でも早く鍛えたい、強くなりたいと思っています。

世界選手権では2年連続銀メダルを獲得。金メダルになればアルカンシェル(中央の選手着用)を着ることができる世界選手権では2年連続銀メダルを獲得。金メダルになればアルカンシェル(中央の選手着用)を着ることができるこの記事に関連する写真を見る

――ヨーロッパ勢はやっぱり強いですか。

 ヨーロッパの人たちは自転車競技に小さい頃から親しんでいて、日本でいう将棋みたいな存在なのかなと思います。だから自転車競技はヨーロッパのものという感覚があって、文化的な背景を見ても、トップに立つのは難しいところはすごくあります。ただケイリンは日本が発祥です。そこだけは誇りを持って自分は走っています。発祥の国から優勝者を出さないといけない。だから自分が頑張ろうと。私がそのひとりになりたいと思っています。

【Profile】
佐藤水菜(さとう・みな)
1998年12月7日生まれ、神奈川県出身。身長163cm、体重59kg。高校卒業後に日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)に入学し、2018年7月、19歳の時にデビュー。2021年のガールズケイリンコレクションや2022年のガールズドリームレースなど数々の特別競輪で優勝を飾る。2020年7月から自転車競技のナショナルチームに所属し、2021年、2022年の世界選手権ケイリンで銀メダルを獲得。2023年6月のアジア選手権ケイリンでは連覇を達成した。パリ五輪代表の最有力候補。

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