「仲間内でGⅠの話は全くしない」という意外 ガールズケイリン初のGⅠパールカップに向け優勝候補たちが静かに火花を散らす (2ページ目)
【 「気合の入ったレースを見せたい」石井寛子 】
誰もが一着を渇望するパールカップ。ガールズケイリン2期生としてその歴史とともに歩んできた石井寛子も、そのひとりだ。
「10周年で人数も増えて、GⅠが開催される規模になったんだなって。そもそもGⅠができるとも思ってなかったので、これは本当にお客さんの支えや応援のお陰だと感じます」
ガールズケイリン初の通算500勝など数々の記録を打ち立ててきた石井は、レース前の心境を感慨深げに語る。
今年はここまで白星こそ積み上がっているが「コンディションは変わらずなんですけど勝ったり負けたりで」と、自身のパフォーマンスには決して満足していない。パールカップの前週、前々週にもレースに出場するタイトなスケジュールでの転戦だが、石井はそこにも好転のきっかけを見出そうとしている。
「練習でしっかり調整してレースに臨むスタイルが(自分に)合っていると思いますが、どれだけ走る前に練習していても本番で弱気になると負けてしまう。レースでしか得られない感覚があるので、いい感覚を得てから走りたいですね」
ガールズケイリンを代表する選手のひとり、石井寛子この記事に関連する写真を見る
ベテランの石井もまた、柳原と同様に大一番でのキーに挙げたのはメンタルだ。
「心技体の"心"が重要だと、年齢を重ねるに連れて感じます。7人で走るので、他6人との心理戦になりますから」
グランプリの連続出場記録を持ち、ガールズケイリン界のレジェンドと呼ばれる石井でさえも、GⅠは初体験となる。まだ見ぬ舞台だが、石井は「優勝したらグランプリが決まるすごく大事なレース。今までのガールズケイリンとは違う」と言い切った。
「今後はグランプリに出場するのも難しくなってくると思いますし、勝つことが難しいからこそ、他の選手のモチベーションも上がっている。気合いの入ったレースをお客さんに見せたいです」
石井が持つ記録の多くには「ガールズケイリン初」の枕詞がつく。当然「初のGⅠ女王」の座も、虎視眈々と狙っている。
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