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Mリーガー佐々木寿人が強くなった麻雀分岐点。「勝負は何かに気づくこと。あの時期、こうやれば勝てることを見つけた」 (3ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「だんだん変わりました。プロになる前と同じ打ち方でやっても勝てなくなったり、壁にぶつかったりして、少しずつ変えながらという感じですね」

---- 大きく変わったのはどこですか?

「我慢ですね、我慢。守備は好きじゃないので、攻撃麻雀だったんですけど、それだと勝てないってことで、守備を覚えつつ、攻撃面を少し削っていって。自分らしい打ち方も追求したいし、勝負の結果にもこだわりたい。そのバランスが一番変わりました」

---- 今も佐々木選手のイメージは超攻撃型な麻雀ですが、むやみやたらに打って出るわけではないということですよね。そこの押し引きはどうやって身につけるのでしょう?

「やっぱり経験ですよね。プロ入りした頃は荒削りなところもあって、点数を失うことがあったんで。守備もちゃんとできないと勝ちきれない。勝ちきるにはどうしたらいいのかを考えて積み重ねていくなかで、パッと掴めんだものがあった感じです」

---- それはいつくらいなんでしょう?

「日本プロ麻雀連盟の鳳凰戦でA2リーグからA1リーグに上がれそうだったのに、有利な位置につけていたのにダメで。その頃ですかね」

---- それは2015年のことでしたよね。

「そう。その後もB1リーグに降格したんですけど、あの経験が大きかったですね。『なぜ負けたか』、しっかり自分を見つめ直せた。

 勝負というものは、何かに気づくことかなと思うんです。それが何かは人によって違うけれど、僕はあの時期に『意外にこうやれば勝てるんだなぁ』というのを見つけた気がします。気づくと『なんだ、実は簡単なことじゃん!』って思うんですけど(笑)」

---- 2017年に日本プロ麻雀連盟主催の『麻雀グランプリMAX』に優勝して初のG1タイトルを獲得。さらに2018年にMリーグが始まってKONAMI麻雀格闘倶楽部からドラフト1位指名され、2019年には鳳凰位リーグでA1に昇格。2020年度、2021年度は日本プロ麻雀連盟で最高のタイトル『鳳凰位』を2連覇。Mリーグがスタートしたタイミングに合わせて佐々木時代が始まった印象です。

「たまたまですけど、ありがたいことですよね」

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