ロコ・ソラーレ鈴木夕湖が北京五輪序盤で涙を見せた真相。立ち直る契機となったライバルと兄からの言葉 (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text by Takeda Soichiro
  • photo by JMPA

――その後はどうやって立て直しを図ったのでしょうか、

「佳歩(小野寺/フォルティウス)がSNSで応援してくれているコメントを人から聞いて、元気づけられました。あとは、お兄ちゃんが『思ったより貢献しているから大丈夫だよ』って、LINEをくれて。あんまりLINEとかしてくる人じゃないんですけど、滅多に泣かない私が泣いている姿を見て、マジで心配したんでしょうね。あれは、結構うれしかったです」

――小野寺選手とは帰国してからお会いになりましたか。

「すぐに会いに行きました。なぜか『桃鉄(桃太郎電鉄)』をやろうと約束していたので、それを実現しました。ボンビラス星に連れていかれて、大変なことになりましたけど(笑)」

――さて、日本カーリング史上初の五輪ファイナルについても聞かせてください。イギリス代表を相手に前半からビハインドを負うゲームになってしまいました。

「去年のカナダ遠征の頃から、多くの試合で前半から結構ダウン(スコアで負けている)になっちゃうことが多くて。後半に巻き返してクロス(ゲーム)まで持っていくんですけど、結局1ダウン(1点ビハインド)で逃げきられちゃったりして。4ダウンあったところを1ダウンまで迫りながら、最終的に足りない。そういうゲームがかなりあったんです。

 北京五輪の決勝もハーフまでに2ダウンなら大丈夫、と話していたんですけど。第5エンドにスチールされて、3ダウンになってしまったのが痛かったですね。もう一度やり直すことができるなら、試合の入り、からですね。あとはやっぱり、チームとして決勝の経験が少ない、というのはみんなでも話しました」

――ファイナル特有の試合の入り、みたいなものが存在するのでしょうか。

「決勝の試合前練習で、イギリス代表はず~っとボトム(ハウスの中心)だけに(ドローを)投げ続けていたんです。私は決勝の前半でトップウエイトのテイクを投げたんですけど、使っていないラインに投げるとトップでも曲がってしまったりして、アイスの読みがうまくいっていなかったですね」

――つまり、イギリス代表が試合前練習でテイクを投げなかった分、アイスの情報が足りなかった、ということでしょうか。

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