2021.12.20

ロコ・ソラーレが強かったのはなぜか。北京五輪出場の立役者となったセカンド・鈴木の際立ったプレー

  • 竹田聡一郎●文 text by Takeda Soichiro
  • photo by (c)WCF / Steve Seixeiro

 オランダ・レーワルデンで開催されたカーリングの北京五輪世界最終予選で、女子日本代表のロコ・ソラーレがプレーオフで韓国代表に勝利し、北京五輪の出場権を獲得した。

 出場9チームによる総当たりのリーグ戦から、ロコ・ソラーレの戦いぶりは安定していた。勝ち星では6勝2敗と、スコットランド、韓国とともにトップで並んでDSC(ドローショットチャレンジ)の結果によって3位に甘んじたが、不利な先攻で得点を奪うスチールの数はトップタイの14。逆に相手にスチールされた数は1と、不安定なアイスコンディションにありながら、リスクマネジメントの高さでは群を抜いていた。

北京五輪の出場権を獲得したロコ・ソラーレ。左から藤澤五月、吉田知那美、鈴木夕湖、吉田夕梨花、石崎琴美北京五輪の出場権を獲得したロコ・ソラーレ。左から藤澤五月、吉田知那美、鈴木夕湖、吉田夕梨花、石崎琴美 この記事に関連する写真を見る  その立役者となったのは、セカンドの鈴木夕湖だ。

 カーリングではアイスの変化を含め、点差と残りエンド、両チームのリード4投が終わった際の石の配置などを判断材料にして、セカンドのショットで攻めるか、守るか、決めることが多い。その点、今大会の鈴木はどちらにもしっかりと対応。テイクも、ドローも高い精度で決めてきた。

 テイクでは、相手が置いたガードストーンを1投で2つ弾き飛ばすダブルピールを要所で決め、ドローでは最終的に点になる強い石を幾度もハウス内に送り込んだ。ポジションごとのショット率でも相手セカンドに負けたのは1度だけ。敗戦したスコットランド戦、トルコ戦以外では2点以上のビハインドを負うことがなく、多くのゲームで序盤から主導権を握れたのは、そんな鈴木の仕事に依るところが大きかったと言えるだろう。

 また、ミックスダブルスでペアを組む平昌五輪男子代表の両角公佑(TM軽井沢)は、「夕湖選手はドローもテイクも精度が高いですし、目もいいんですよ」と言って、鈴木の投げる技術だけでなく、スイーパーとしての能力を高く評価する。

 カーリングにおいて"目"というのは、ストーンの挙動からウエイト(速さ)、回転、曲がり幅などを見極める能力を指し、スイーパーとして不可欠な資質だ。