検索

カーリング日本選手権の注目4チーム。北京五輪代表に近づくのは? (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text by Takeda Soichiro

 一昨年の覇者で、昨年準優勝だった中部電力も虎視眈々と女王奪還を狙う。五輪選考のかかる日本選手権を前にしても、サードの松村千秋は「緊張感は、いいのか悪いのかわかりませんが、普段どおりあんまりないですね」と笑い、平常心で大一番に臨む。

 バックエンドを担う松村のチャンスメイク能力と、フォースの北澤育恵の決定力は国内でも屈指。フロントエンドを支えるリード石郷岡葉純とセカンドでスキップの中嶋星奈が安定した働きを見せれば、10戦全勝で栄冠を手にした一昨年の再現もあり得る。2月11日のロコ・ソラーレとの直接対決は、大会の行方を左右する大一番になりそうだ。

 また、今大会では5人目の選手の存在も注目されている。上記4チームは今季、いずれも新加入の選手を迎えているからだ。

 ロコ・ソラーレは2010年バンクーバー五輪などで活躍した石崎琴美、富士急は2014年ソチ五輪に出場した苫米地美智子という、それぞれ経験豊富なオリンピアンを獲得。両選手は、ストーンチェックなどの情報収集や、客観的な視点からのアドバイザー的な役割をこなしつつ、氷上の選手にトラブルがあった時には、それに対応できる技術とメンタルを備えている。2チームにとっては、かなり心強い存在になるだろう。

 対照的に、中部電力は鈴木みのり、北海道銀行は伊藤彩未という若手を加入させた。ふたりは2001年生まれで同い年。鈴木は中学2年時、伊藤は高校1年時という若さで日本選手権に出場するなど、高いポテンシャルを秘めたルーキーだ。

 チームの将来を背負うタレントでもあり、中部電力の両角友佑コーチ、北海道銀行の佐藤浩コーチ、それぞれの采配次第でアイスに立つ可能性は高い。好ショットを連発して"シンデレラガール"のような活躍を見せれば、そのチームが勢いに乗って頂点に駆け上がっていくかもしれない。

 ここ何年かで競技レベルが上がり、今や選手たちも「本当にどこが勝つかわからない」という大混戦。その熾烈な戦いを制して、北京五輪へ続く道を歩むのはどのチームなのか。1週間の戦いから目を離すことができない。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る