検索

錣山親方が占う一月場所。貴景勝の逆襲、照ノ富士の大関復活はあるか? (3ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 ただ、いい相撲を取る時と、あっけなく敗れてしまう相撲を取る時との差がはっきりしています。現状では、その辺りが課題となります。また、内股っぽいので、相手の力をまともに受けないように注意すべきでしょう。こうしたタイプの力士は、下がってしまうとヒザを負傷しやすいですからね。そうならないためにも、前に出る圧力を意識して相撲を取ってほしいです。

 何はともあれ、21歳の琴勝峰は身長191㎝、体重156㎏と、力士として均整が取れている体躯が魅力。柔軟性があって、まだまだ大きくなりそう。伸びしろもあり、1年後ぐらいにはとんでもない力士になっているかもしれませんよ。

 若手ではありませんが、今場所で注目している力士がもうひとりいます。先場所、幕尻ながら優勝争いに加わって、場所を盛り上げた志摩ノ海(前頭10枚目)です。

 近大から木瀬部屋に入門して、順調に番付を上げていたのですが、2013年の名古屋場所(7月場所)で、十両目前にしてヒザを大ケガ。1年近くの休場を余儀なくされました。

 その後、序ノ口から再出発。コツコツと努力を重ねてきた力士です。そして2019年夏場所(5月場所)、29歳にして待望の新入幕を果たしました。以降も努力を怠ることなく、黙々と稽古に励んでいる姿には好感が持てます。志摩ノ海もおそらく、ヒザの大ケガから復活した照ノ富士の活躍に刺激を受けているのではないでしょうか。

 ケガで苦しんでいる力士はたくさんいます。照ノ富士はもちろん、志摩ノ海の存在も、そんな力士たちの励みになっているはずです。

photo by Kai Keijirophoto by Kai Keijiro錣山(しころやま)親方
元関脇・寺尾。1963年2月2日生まれ。鹿児島県出身。現役時代は得意の突っ張りなどで活躍。相撲界屈指の甘いマスクと引き締まった筋肉質の体つきで、女性ファンからの人気も高かった。2002年9月場所限りで引退。引退後は年寄・錣山を襲名し、井筒部屋の部屋付き親方を経て、2004年1月に錣山部屋を創設した。現在は後進の育成に日々力を注いでいる。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る