チケットなしで見る東京五輪。
自転車ロード生観戦をチェックしてみた

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 須賀 和●撮影 photo by Suga Yamato

検証! 東京五輪「フリー観戦術」 ◆自転車競技(ロードレース)前編

「やっぱり、日本人はオリンピックが大好きだ!」

 そう実感させられたのが、2019年6月20日の観戦チケット1次抽選結果発表の当日だった。

 この日まで、56年ぶりに開催される東京オリンピックになんて、まったく関心がないようなそぶりを見せていた人たちから、「1枚も当たらなかった」「まわりには全落ちした人しかいないけど、当選した人ってどこにいるの?」「日本でやるのに、生観戦できないなんて......」などなど、朝早くから悲痛な叫びが上がった。

 512万人の申込者に対して、1枚も当たらなかった416万人の落選者。

 のちに落選者救済のための追加抽選も実施され、昨年11月13日から26日にかけては2次抽選申込、さらに2020年の春以降には公式チケット販売所が設置され、そこでの直接販売がスタートする。だが、手を替え品を替え販売を繰り返したとしても、観戦チケット難民は必ず出てしまうはずなのだ。

 そうであるなら、観戦チケットに振り回されるのは、もうやめにしよう。東京オリンピックには、チケットがなくても生観戦でき、選手たちを応援できるはずの競技がたくさんあるのだから!
 
 そんな東京オリンピック"フリー観戦競技"の候補について、本番の競技会場で開催されるテストイベントの様子も含めてその可能性を検証してみたい。

* * *

「テストイベントもそうでしたが、東京の武蔵野の森公園をスタートして、神奈川と山梨を通過して、静岡の富士スピードウェイがゴールになるオリンピック本番のコースは、サバイバルレースになると思いますよ」

 自転車競技のロードレースについてそう語ってくれたのは、一般財団法人・日本自転車普及協会の主幹調査役で、ツール・ド・フランス中継などの解説者としてもおなじみの栗村修氏だ。

東京五輪のコースはハードだと言う栗村修氏東京五輪のコースはハードだと言う栗村修氏

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