チケットなしで見る東京五輪。
自転車ロード生観戦をチェックしてみた (4ページ目)
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2019年7月21日・日曜の午前──。
西武多摩川線・多磨駅から徒歩5分ほどのところにある武蔵野の森公園には、多くの自転車ファンが詰めかけていた。
スタートの1時間以上前からお祭りムードで盛り上がる観客たちは、正午ジャストにレースがはじまると、ナショナルチーム9か国42名を含む合計95名の選手たちだけでなく、先導車や先導バイク、チームカーなどが通るたびに、「いってらっしゃーい!」と声を掛け、手を振って楽しそうな雰囲気。
観客は、自分たちとコースとを隔てる仮設フェンスのほぼ最前列で目の前を走り抜ける選手たちを見送るという、まさに生観戦ならではの醍醐味を味わうことができた。
スタート直後の様子。フェンス際で余裕をもって観戦できた
直後、選手たちは大國魂神社に向かうことになるが、神社付近の大通りには、すでに自転車ファンだけでなく、近くから見に来た人たちや、「今から何かやるんですか?」とたまたま通りかかった人たちが集まり、カメラやスマホを片手に今や遅しと選手たちの到着を待ち構えていた。
すると突然、「撮影は禁止になります」との大会スタッフの声。
「えーっ? 自転車ロードレースの沿道で、撮影を禁止するだって?」
事前にそんな告知はなかったし、まったくの的外れと思える規制に、その理由を聞いてみたものの、「今日決まりました。よろしくお願いします」と、スタッフはただただそう答えるのみ。
府中駅前を走る選手たち。「撮影禁止」は意味なし状態に
とはいえ、選手たちの通過時には、その場にいた人たちの多くがレースの撮影をしはじめ、それをスタッフが実際に制止するすべもなく、撮影禁止はまったく意味不明なお願いということになってしまっていた。
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