2018.06.26

五輪種目のクライミング複合。
ポイント数が3種目の「掛け算」なわけ

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO

 1894年に誕生したIOC(国際オリンピック委員会)の創設日にあたる「オリンピックデー」の6月23日、東京五輪に向けてスポーツクライミングが新たな一歩を踏み出した。

男子コンバインド初代王者に輝いた楢﨑智亜 東京五輪でのスポーツクライミング実施種目であるコンバインドにフォーカスした『第1回コンバインド・ジャパンカップ』が6月23日~24日、岩手県盛岡市にて開催。2年後の東京五輪を見据え、「スピード」「ボルダリング」「リード」の3種目の複合成績で争われる今大会は、男子は楢﨑智亜(ならさき・ともあ)、女子は野口啓代(のぐち・あきよ)がコンバインド初代王者に輝いた。

 この大会は、初日に男子25選手、女子13選手で予選を実施。スピードでは2度のタイム計測、ボルダリングでは4課題、リードでは1課題で順位を争い、その上位6選手が大会2日目の決勝戦でふたたび3種目に臨んだ。

 3種目の総合順位は、選手それぞれの『各種目の順位を掛け算』で算出した複合ポイントで決められ、数値が小さい選手ほど上位になる。第1回コンバインド・ジャパンカップで勝負の行方に大きく影響したのも、この複合ポイントの算出方法だった。

 たとえば3種目すべてで6位の選手と、1種目は1位で残り2種目は14位だった選手がいた場合、複合ポイントを各順位の『足し算』で決めるのならば、前者は18ポイント(6位+6位+6位)、後者は29ポイント(1位+14位+14位)になる。

 ところが、これを『掛け算』で決めると、前者が216ポイントに対し、後者は196ポイントで順位は入れ替わる。『掛け算』で行なう狙いは、出場選手数が20~30人ほどであれば、3種目にバランスよい成績を残す選手よりも、1種目にズバ抜けた成績を出せる選手が上位にくるようにということだ。