2018.02.25

ピタリ追走→怒涛のゴール。
金メダル・髙木菜那がマススタートを語る

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 平昌五輪スピードスケート最後の種目として2月24日に行なわれたマススタート。オリンピックでの実施は初となる。

 女子で出場した髙木菜那(日本電産サンキョー)と佐藤綾乃(高崎健康福祉大)は、W杯での優勝や表彰台の経験があり、メダル獲得の可能性がある種目だった。一方で、結果が読めない種目でもある。

五輪で初めて実施されたマススタートで金メダルを獲得した髙木菜那 16周のレースで4周ごとに3回のスプリントポイント獲得地点がある。そこで獲得できるポイントは1位通過で5点、2位で3点、3位で1点。ゴールでもポイントが加算され、1位60点、2位40点、3位20点。

 スプリントポイントとゴールポイントの合計で順位が決まるが、ゴールポイントが大きいので実質的にはゴール順でメダルの色が決まる。そのため、位置取りやレース展開が熾烈なうえ、他の選手の滑りなども要素として絡み合って、予想外の結果になることも多い。

 さらに、マススタートは各国2名が出場できるため、チーム競技としての側面も持っている。ふたりがうまく連携を取って滑ることで、ワンツーフィニッシュを狙ったり、片方の選手を優勝させるために、もうひとりが牽引役になったりと戦略的なレースもできる。

 ところが日本は女子の決勝で、そのチームプレーが使えない状況に追い込まれてしまった。準決勝第1組で滑った髙木は、1回目のスプリントポイントを1位で通過して5点を獲得。その後は余力を残して16名で滑る決勝進出を決めた。しかし、第2組に出てきた佐藤は、2回目のスプリントポイントを獲得しようと攻めたときに、前を滑っていたカナダ選手の転倒に巻き込まれて転倒し、肘を痛打してレースを中断。決勝進出を逃してしまったのだ。