秘技「バックサイドダブルコーク1080」でスノボ鬼塚雅が金メダルへ (4ページ目)

  • 徳原海●取材・文 text by Tokuhara Kai
  • 写真提供●BURTON

――日本ではまだまだ、スノーボード競技に触れる機会がオリンピックだけという人が多いので見落とされがちですが、ハイシーズンのスノーボーダーたちの移動距離たるや尋常じゃないですよね。実際、平昌にも海外遠征からそのまま入ると思いますし、オリンピック後にはすぐにUSオープンといったビッグトーナメントも待っています。

鬼塚 友人たちからは海外にたくさん行けて羨ましいと言われますけど、移動は本当にきついですよ。とくに大会はアメリカやヨーロッパが多いので日本が拠点だとさらにハード。コンディションを維持し続けるだけで大変な仕事ですし、自分でも今の生活スタイルでよくやっていけてるなって感心します(笑)。

――常に世界中の雪山から雪山を転々とするそんなハードな日常の中で、モチベーションをキープし続けるための秘訣はあるのでしょうか。

鬼塚 常に次の大会で優勝したいという気持ちを持つことでしょうか。4年に1度のオリンピックに比重を置きすぎると、どこかで気が緩んだりするので。

――スノーボードシーン全体を俯瞰(ふかん)してみて、今の自分の現在地をどのように捉えていますか?

鬼塚 W杯でも技を失敗しなければ表彰台は逃さなくなってきましたし、バックサイドダブルコーク1080が成功すれば、アンナと私のどちらかが1位を取れるレベルにはきていると感じています。だからあのUSオープンの5位があって本当によかったなと思います。とはいえ、スロープスタイルもビッグエアもトップライダー5人くらいの実力は常に横一線で、たまたま今はアンナと私が新しい技のおかげで少し抜け出しているという感じなので油断はできませんけれど。

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