揺れる角界に差す光。大鵬の孫が、
急逝した恩人の想いを胸に初土俵へ

  • text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 元横綱・日馬富士の暴行事件に端を発し、貴乃花親方の理事解任など、土俵外で大きく揺れ動く大相撲。そんな角界に差す"一筋の光"とも言える新弟子が入門した。優勝32回を誇る昭和の大横綱・大鵬の孫で、元関脇・貴闘力の三男である納谷幸之介(なや・こうのすけ)だ。

新弟子検査を通過し、初場所でのデビューが決まった納谷新弟子検査を通過し、初場所でのデビューが決まった納谷 現在、埼玉栄高校3年の納谷は、1月14日に初日を迎えた初場所で初土俵を踏む。昨年は、10月の国体・少年の部で個人・団体ともに優勝。12月のアマチュア相撲日本一を決める全日本選手権は予選で敗退したが、今の高校相撲を代表する逸材であることは間違いない。

 全日本選手権の後に、祖父が興した大鵬部屋の流れを汲む大嶽(おおたけ)部屋に入門し、年明け1月10日に新弟子検査を受検した。身体測定では、身長188cm・体重166kgと、現役時代の大鵬(187cm・153kg)を上回る体格を記録。すでに大嶽部屋での生活を開始しており、稽古では三段目の力士を相手に、30番~40番の申し合いを毎日のように行なっている。

 四股名は、本名である「納谷」に決定。大きな注目を集める初土俵に、納谷は「注目されるのはありがたいことなので、それに見合った力をつけたい」と、落ち着いた口調で抱負を語った。

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