なぜ勝てないのか。高梨沙羅が自身のジャンプを分析してわかったこと

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Tomura Atsushi/Getty Images

 1月14日の女子ジャンプW杯札幌大会2日目。前日の3位からひとつ上げてする2位になった高梨沙羅(クラレ)は、「運もよかったのだと思います」と言いながらこう続けた。

強いふたりを超えて、平昌五輪では念願の金メダルを狙う高梨沙羅強いふたりを超えて、平昌五輪では念願の金メダルを狙う高梨沙羅「昨日のジャンプはスキーが抵抗になり過ぎてしまって体と戦っているというか、風の抵抗を受けながら飛んでしまうことで、スピードをロスして後半につながらないというのが課題でしたが、今日はその辺を改善できました。この2日間すごく穏やかな気象条件の中で試合ができたので、そのあたりも自分のテクニックを確認しやすかった点だと思います」

 13日の試合でも、踏み切ってからの動作がW杯初戦のリレハンメル大会よりも、かなりスムーズな動きになっていた。前日の公式練習では、2本とも距離点にウインドファクターを加えた得点では1位になり、そのあと行なわれた予選の弱い追い風の条件でも95mを飛んで1位通過を果たした。

 しかし、13日の結果は2本とも93m。1本目に95.5mを飛んで優勝したマレン・ルンビ(ノルウェー)と、2本目に最長不倒の96mを飛んで2位になったカタリナ・アルトハウス(ドイツ)に大差をつけられた。

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