SC軽井沢が「超攻撃的カーリング」に回帰。2月には世界を驚かせる

  • 竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Takeda Soichiro

 SC軽井沢クラブにとって、2017年は豊穣の1年だったのではないか。

 2月に日本選手権(長野県・軽井沢)で歴代最高の5連覇を達成し、平昌五輪代表に内定すると、4月にカナダ・エドモントンで行なわれた世界選手権では7位ながらもオリンピックポイントを着実に加算。前回大会(4位)で得たポイントと合算して、日本カーリング男子20年ぶりの五輪出場を決めた。

 9月に五輪代表決定戦が組まれて慌しいオフとなった女子とは対照的に、5月から6月にかけて2カ月弱のオフをとって、7月上旬、新シーズンに向けて始動。シーズン前半のタスクとしては、11月のパシフィック・アジア・カーリング選手権(以下、PACC。オーストラリア)で3位以内に入って、2018年の世界選手権(アメリカ)の代表枠を獲得することに専念すればよかった。

 そこで、「いろいろと試せるシーズンだったので、昔からトライしたかった」と、スキップの両角友佑(もろずみ・ゆうすけ)が以前から温めていた、超長期遠征を敢行した。

 7月のアドヴィックスカップ(北海道・北見市)、8月のどうぎんクラシック(北海道・札幌市)と国内大会をこなしたあと、8月下旬にまずはアメリカに飛んで、ミネソタ州で行なわれたカーリング・ナイトインアメリカに出場。同大会で優勝して一時帰国すると、9月にはカナダ入りして7週間連続で同国内の各地を転戦した。

 その長期遠征で収穫は多かったが、決して順風満帆ではなかった。多くの大会に出て経験は積んだものの、7週間でクオリファイ(決勝トーナメント進出)はわずか1大会にとどまった。

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