驚異の太ももパワーで五輪メダルにまっしぐら。女子自転車・梶原悠未 (3ページ目)

  • たかはしじゅんいち●文・撮影 text & photo by Takahashi Junichi


 梶原は2016年からエリート(最上級のカテゴリー)に上がり、全日本選手権ロードにも出場した。しかし、ここではロード、タイムトライアルともに女王として君臨する與那嶺に勝つことができなかった。エリート2年目となる今年も全日本選手権トラックでは4種目に優勝したが、全日本選手権ロードでは再び與那嶺に次いで2位になっている。ジュニアとエリートとの違いは、どこにあるのだろうか。

「ジュニアは限られた世代の選手同士で戦うため、逃げて独走で勝つなど、経験が少なくても走力だけで勝負することができました。でも、エリートではベテラン選手や経験、技術を持った選手がたくさんいます。その中で勝つためには、純粋な走力だけでなく、数多くのレースを経験して身につけたレースの勘や、走行技術など、より多くの能力が求められます。自分の走力に合った作戦や瞬時の判断も必要です」

 梶原はロードレースだけでなく、トラックレースでも圧倒的な強さを発揮している。それぞれにどのような意識でとり組んでいるのか。

「ロードレースはアップダウンのある山岳系のコースや平坦なコースなど様々なコース設定で行なわれるため、それによってレース展開や活躍する選手が変わります。また、個人競技であると同時に団体競技でもあります。コースによってチームのエースを決め、エースを勝たせるためにアシストする選手がいます。私は、平坦や起伏の緩いコース設定で、レースが高速になり、選手同士がお互いに体力を削った中でのスプリント勝負を得意としています。

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