日本勢を退けボルダリングW杯優勝の18歳美少女、ヤーニャに迫る (5ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro  清水 恵子●通訳 interpreter by SHIMIZU KEIKO
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki


 クライミングは子どもの頃はどんどん上達する。これは体重の軽さなどと関係があり、成長期を迎えて身長が伸びて体重が増えていくと、女子選手はそれまでのように登れなくなる傾向が強い。

 現在は身長162cmあるヤーニャの場合はどうか。ゴラスチェコーチの言葉から、彼女の特別な才能が垣間見える。

「当たり前のことですが、体格や体重が成長することでヤーニャもクライミングのスタイルを少しずつ変えてきました。ただ、彼女の場合は身長が伸びたからといって、何かができなくなったわけではなかった。ランジやコーディネーションといったダイナミックな動きも、スラブやスタティック(静的な)ムーブも、昔から変わらずに同じようにやれました」

 IFSCのシニア大会への出場は誕生日で16歳になる年から資格が得られるのだが、2015年に資格を得たヤーニャは、この年のリード・ワールドカップ(以下LWC)に3大会出場して2位、2位、3位となった。

 そしてレジェンド・クライマーだけが参加できるクライミングシューズメーカー主催のボルダリングのコンペ「The La Sportiva Ledends Only 2015」で圧巻の登りを見せたことで、世界中のクライミング・コミュニティーがヤーニャに熱い視線を注ぐことになった。

 昨年はLWCにフル参戦して7戦4勝という圧倒的な強さで年間王者に輝き、9月に開催されたクライミング界最大のイベント、世界選手権リードでも優勝した。また、スイス大会とオーストリア大会で出場したBWC2016では2位と5位の成績を残した。

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