日本勢を退けボルダリングW杯優勝の
18歳美少女、ヤーニャに迫る (6ページ目)
17歳で新女王となったヤーニャが、2017年にどういった活動をするかに注目が集まるなか、彼女が選んだのはBWCとLWCの両種目へのフル参戦であった。
リードとボルダリングは、"登る"という点においては同じだが、種目の特性が大きく異なる。前者はより高くまで登るための持久力や、保持力の消費を最小限にとどめるためのしなやかな動きと判断力などが求められる。対して、後者は瞬発力やパワーに重点が置かれている。年々、その差異は顕在化して、それぞれのスペシャリストが活躍しているのが現状だ。
しかし今季、クライミング界の常識をヤーニャはいともあっさり覆している。WBC初戦のスイス大会で6位、2戦目の中国・重慶大会で初優勝。続く中国・南京大会も2位。そして、この八王子大会で2度目の優勝。ランキングトップを走るショウナ・コクシー(イギリス)をぴったり追走している。BWC2017シーズンの年間王者も夢ではなく、両種目制覇に向けて、さぞ気合いが入っていると思いきや、意外な答えが返ってきた。
「私にとってのプライオリティで一番目にあるのはLWCなの。2020年東京オリンピックのその先、将来的には岩場での活動に重点を置きたいと考えることもあるけど、いまはLWCで優勝することにしか真剣にはなれない。今年はBWCも全戦に出場しているけど、優勝や年間1位は意識していないし、楽しくやりたいだけだからプレッシャーもない。もちろん、いい加減にやっているわけじゃなくて、ボルダーならではのダイナミック・ムーブが出てくる課題を楽しみながら、よい成績が残せればいいなっていうだけ。逆にそういう気持ちだから、今年はBWCシーズンはうまく登れていると思う。とにかく今は、BWCはエンジョイしている」
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