【月刊・白鵬】横綱が語る、
稀勢の里の激闘と「浅田真央の引退」 (5ページ目)
彼女の10年間も、苦しいことの連続だったと思います。それでも、リンクを降りたときでも、まるで苦労などしていなかったかのように、常に明るい笑顔を見せてくれていました。
そんな折、私が新横綱となる場所前に受けたインタビュー記事を、改めて目にする機会がありました。そこで、私はこんなことを言っているんです。
「横綱は土俵では強く、土俵の外ではみんなに優しくしなきゃね」
ちょっと驚きましたね。あまり公言していないのですが、実はこれが私の心の中のモットーだからです。
土俵とリンクの違いはあっても、真央さんも同じ思いで、だからこそ、彼女は多くの人々に愛されたのでしょう。引退発表の際にもさわやかな笑顔を振りまいていた真央さん、長い間、本当におつかれさまでした。
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