【月刊・白鵬】今年、横綱が目指す「38回目の優勝と通算1047勝」 (2ページ目)
こうして、毎場所のように優勝争いが白熱し、さまざまな顔ぶれが優勝力士となったことで、「相撲って、面白い」と思ってくださった方が結構いらっしゃるようですね。そういうファンの期待どおり、今年も熾烈な争いが繰り広げられることでしょう。
しかしながら、そんな状況にあって、私は改めて「強い横綱でありたい」と思う気持ちが強くなって、「38回目の優勝を狙いたい」という意識が高まっています。私としては、混戦を望むファンのみなさんの期待を裏切る活躍を目指して、がんばっていきたいと思っています。
それだけの決意を秘めていましたから、昨年最後の宮城野部屋での稽古を終え、恒例の餅つきをしたあと、束の間のオフの間も、相撲のことが頭から離れませんでした。9月にヒザの手術をしたこともあり、休暇中は暖かい場所で体を慣らしたいと思ってグアムで過ごしていましたが、海を眺めながら、常に初場所のことを考えていました。
ただ、それはどんな力士でも同じではないでしょうか。年末年始だとしても、場所前特有の緊張感があるからです。しかも、今年の初場所は例年よりも早く、年明け早々の1月8日が初日。まさに「待ったなし!」の状況でしたから、私は休暇先でも意識的に体を動かしていました。
帰国後も、翌日からすぐに稽古場に下りて、体の動きを確認しました。その後は、日馬富士をはじめ、これまでに苦杯をなめたことのある大関・照ノ富士、前頭筆頭の宝富士ら6人の関取がいる伊勢ヶ濱部屋に出稽古にいきました。横綱同士で胸を合わせることはなかったのですが、自分なりに納得がいく稽古ができたと思っています。
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