【月刊・白鵬】今年、横綱が目指す「38回目の優勝と通算1047勝」 (3ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 迎えた初日、相手は新関脇の正代。九州場所で11勝を挙げて敢闘賞を受賞。このところ急速に力をつけてきた若手力士のひとりです。やはり初日というものは緊張感がありましたが、引き落としで勝ち星を挙げることができました。

 続く2日目は、宝富士に寄り切り勝ち。そして3日目は再び、正代同様、若手のホープとして期待されている前頭筆頭の御嶽海と対戦。先場所では上位陣に跳ね返されて負け越したものの、この場所では2日目に日馬富士を破って金星を挙げ、波に乗っていました。その勢いはさすがでしたが、寄り切り勝ちを収めることができました。

 こうした若くて、勢いのある相手に、描いていたイメージに近い形で白星を挙げることができたのはよかったです。38回目の優勝へ向けて、幸先のいいスタートが切れたと思います。

 私には今年、もうひとつ大きな目標があります。昨年の九州場所で通算1000勝を達成したことで見えてきた、魁皇関(元大関=現・浅香山親方)が持つ最多勝利記録(通算1047勝)です。

 通算1000勝を達成した際、メディアの方々から次の目標を聞かれた私は、「1001勝です」と答えました。それは、1勝を挙げることの重みを、改めて実感した1年だったからでもあります。

 だからこそ同時に、次は史上最多勝利という偉大な記録に並ぶことを、自分の目標に据えたのです。そして、もし並ぶことができたなら、次の目標はもうひとつ白星を挙げること。その大きな1勝を、ぜひつかみ獲りたいです。

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