白井健三がリオで見つけた目標「6種目やる。航平さんに追いつきたい」 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 そんな白井について、種目別ゆかにともに出場したあとに内村はこう話していた。

「種目別ゆかを見ていて改めて、五輪でメダルを獲るのは相当難しいんだなと思いました。あれだけ日本や世界を驚かせてきて、散々いろんな期待に応えてきた男でもこんなこともあるんだなと思ったし、健三も人間だったんだなと思いました(笑)。でもこの経験は彼にとってはプラスになると思うし......。健三はここで終わりではなく、むしろここからどうするかが一番大事だと思うので。金メダル確実と言われていて、獲れなかったのは僕も自分のことのように悔しいし、健三も期待に応えられなくてすごく悔しいと思うけど、僕はやっぱりここまでやってきた健三を褒めたいと思います」

 今後はゆかだけでなく、跳馬でも頂点を狙えるようになるのではという質問に、少し考えてから「種目別というよりは、今回も航平さんの個人総合のインパクトが強烈だったので。航平さんに追いつきたいというのがすごく大きいです。帰ったら6種目の練習をやりたいと思います。それで来年は『間に合いませんでした』というのがオチかなと思います」と笑いながら答えた。

 そんな言葉を何のてらいもなく言えること自体が、白井健三という体操選手の強さであり、魅力なのだろう。

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