白井健三がリオで見つけた目標「6種目やる。航平さんに追いつきたい」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 白井はケロッとこう話した。そして「悔しがっても明日いい演技ができるわけではないから、跳馬もあることに感謝して気持ちを切り換えたいです」と前向きに最後の跳馬への決意を語った。

 自分が何をできて何ができなかったのか、ということをしっかり分析し、それを何の躊躇もなく受け入れる。それが彼の競技に対する基本姿勢なのだろう。

 そして翌日には「昨日ゆかが終わってから、ぜんぜん悔しくないと航平さんに言ったら、『自分が悔しくなければそれでいいよ』と言ってくれたので、割り切って今日の跳馬に向かえました」と話す。

 種目別跳馬に出場した白井は、1本目にDスコア6.4点の"伸身ユルチェンコ3回半ひねり"に挑戦し、着地で左足を前に大きく踏み出したものの、ライン内で収めて初成功させた。得点は15.833点を獲得。そして2本目はDスコア5.6点のドリックスを跳び、15.066点を獲得した。2本平均得点は15.449点で1位に入り、続く選手たちの演技を待つだけとなった。

 結果的に優勝のリ・セグァン(北朝鮮)と、2位のデニス・アブリャジン(ロシア)には得点を上回られたものの、跳馬のレジェンド、マリアン・ドラグレスク(ルーマニア)とは平均得点で同点に。しかし、2本中高得点だった方の得点で白井が上回り、銅メダル獲得を決めた。

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