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スピードスケート女子に期待の星。押切美沙紀が見せた大器の片鱗

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 藤田孝夫●写真 photo by Fujita Takao

スピードスケート女子に期待の星。押切美沙紀が見せた大器の片鱗スピードスケート女子に期待の星。押切美沙紀が見せた大器の片鱗 今季のスピードスケートシーズンが全日本距離別選手権でスタートした。大会初日の10月23日、男子500mは1年間の休養から復帰した加藤条治が3位になったものの、やや低調な内容。そんな雰囲気をがらりと変えたのが女子1500mの押切美沙紀(おしぎり みさき/富士急)だった。

 同じ富士急の先輩である菊池彩花と同走だった押切は、ラストの1周を「滑りはまだ下手くそだけど、自分の長所は最後まであきらめないこと」という粘りを発揮して全選手中最速ラップの32秒50でカバー。菊池を逆転する1分58秒10でゴールした。

 この記録は菊池が13年のこの大会でマークした国内最高記録を0秒02更新するもの。この日唯一、会場が沸いた瞬間だった。

「1分58秒台を目標にしていたけど、まさか58秒前半が出るとは思っていなかったのでうれしい。同走が菊池先輩だったので、最後は追えるという条件も良かった」

 こう話す押切は、ソチ五輪シーズンのW杯前半戦は代表に選ばれず、国内で戦っていた選手だ。だが、年末の代表選考会では1500mで、チームパシュートの主力選手となった高木菜那を抑えて3位に食い込み、五輪代表に選ばれた。そして五輪の舞台では1500mで日本人最高の22位になり、チームパシュートにも出場して4位入賞に貢献した。

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