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【月刊・白鵬】「夏を満喫した」という横綱の、初めての体験 (2ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 その巡業中、実は足の親指がはれてしまい、1日だけ取組を回避する日がありました。原因はよくわからないのですが、その日の夕方に病院で検査・治療を受けると、すぐに回復。翌日の巡業先では、無事に取組をこなすことができて、ホッと胸をなでおろしました。

 私がかねてから掲げている横綱としてのモットーは、本場所の15日間相撲を取り切ること。それこそが"横綱の務め"だとも思っています。巡業においても、その精神は変わりません。特に地方在住の方々にとっては、大相撲を生で見る機会はなかなかありませんから、その貴重な場をより大切にしたいと思っています。

 ゆえに、巡業中では私が率先して土俵に上がって、積極的に稽古をこなすように心掛けています。そうして、土俵入りや取組を見ていただき、足を運んでくれたお客さま、ファンの方々には「来てよかった」と、少しでも満足していただければと思っています。

 そうしたことについては、今回の巡業が始まる日に、関取衆の前でも話しました。だからというわけではないのでしょうが、巡業に参加した力士たちはみんな、とてもがんばっていました。その結果、どの巡業地にも多くのお客さまが来場してくれました。さらに、日ごとに顔ぶれが変わる握手会でも、連日長蛇の列ができていたそうです。そんな話を聞いて、ファンの方々とのふれあいの大切さを再認識しました。

 何はともあれ、夏巡業にお越しくださった皆さま、本当にありがとうございました。この場を借りて、お礼申し上げます。

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