【大相撲】「日本人横綱」誕生の可能性を秘める4人の逸材 (4ページ目)
「あの稽古があったから、今になって地力が付いてきたのだと思います」と輝。上半身の力だけで取っていた相撲が、その稽古の成果で下半身に安定感が出てきた。13年7月場所から8場所連続で勝ち越し、昨年秋には待望の十両昇進を決めた。得意は豪快な突き押し。スケールの大きな取り口は、魅力十分。締め込みは輪島と同じ黄金色と、その姿はまさに土俵で輝きを放っている。
強くなる力士は、誰もが過酷な稽古という試練に耐え出世してきた。そういう意味で高田川親方が指導する輝は、将来の日本人横綱の可能性十分。今場所は西十両14枚目から8枚目へ番付を上げ、目指すは新入幕だ。
「これからもっと厳しい稽古をさせます。でも、性格が素直だし、何でも吸収しようという気持ちがあるから、今年はもっと伸びるはずです。目標は年内の三役です」と高田川親方は、飛躍に太鼓判を押す。将来の日本人横綱への期待がかかるが輝は「まだ自分にはすべてが足りません。自分の目標は目の前の一番に勝つこと。その積み重ねが将来につながると思っています」とうかれたところはない。
しこ名の輝は、3月14日に開業する北陸新幹線の列車名が由来だ。ふるさとの石川と東京を結ぶ超特急のように、番付を駆け上がる姿を今年の初夢にしたい。
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