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【月刊・白鵬】横綱が語る、話題の逸ノ城の「本物度」 (3ページ目)

  • 武田葉月●文 text&photo by Takeda Hazuki

 そして迎えた、プロとしての初対戦。私は、とにかく逸ノ城に上手を取らせないことを心掛けました。そのうえで、彼の“重さ”も、彼の相撲も知っていたこともあって、タイミングよく上手出し投げを決めて、勝利することができました。

 ただ、取り組みの途中、私は慎重になり過ぎて、ひと呼吸置く瞬間がありました。その際、逸ノ城は私を抱え込んできました。大きな体をしていながら、相手の一瞬の隙を逃さない相撲の“うまさ”がありました。これもまた、彼の快進撃を生み出した理由のひとつだったと思います。

 最終的に、逸ノ城は13勝2敗で殊勲賞と敢闘賞のダブル受賞。新進気鋭の“モンスター”が、大いに秋場所を盛り上げてくれました。今後の動向からも目が離せませんね。

 一方、秋場所ではベテラン勢も奮闘しました。35歳の安美錦が10勝5敗の成績を残して技能賞を受賞しました。また、40歳の旭天鵬関も幕内15日間を戦い抜いて、見事勝ち越しました。40歳台の幕内力士というのは、60年ぶりの快挙ですし、“レジェンド”としての存在感を改めて示した旭天鵬関にも、個人的には敢闘賞をあげてもよかったのではないかな、と思っています。

 最後に、私も31回目の優勝を成し遂げることができました。これも、普段から応援してくださっているファンの皆さんのおかげ。本当に感謝しております。

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