検索

宇野昌磨がアイスショー『Ice Brave -A TURNING SEASON-』に向けて最初に決めたこと 本田真凜とのアイスダンスへの思い

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Sunao Noto(a presto)

 44日、東京。ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場のスクリーン会場は熱気に満ちていた。司会者に続いて宇野昌磨が壇上に立つと、一気に興奮の度合いが高まった。劇場版『Ice Brave 新横浜 Special Edition』上映の舞台挨拶だったが、会場に集まった人のほとんどが現地でショーを観ていた。

『Ice Brave』でアイスダンスにも挑戦している宇野昌磨 photo by Sunao Noto(a presto)この記事に関連する写真を見る

 それだけの人を魅了する宇野とは、どんな人間なのだろうか?

「かわいらしくて、かっこいい!」

「発想が豊かで、言葉の使い方も面白い」

「スケートを常に探究してきたし、作品が最高」

 ファンは尽きることなく、自分の推しポイントを語ることができるはずだが、その人間性そのものがスケートにつながっているところが人気の源泉にあるのかもしれない。

 宇野は第3弾となる『Ice Brave -A TURNING SEASON-』に向け、ひとつ象徴的な話をしている。

「ターニングシーズンの中身については、まだ確定していないんですが......。一番最初に何を決めたか、というと、"同じメンバーでやりたい"ということでした。僕の中でその思いは強くて。気付いたら"このメンバーでやりたい"ってなっていました。今回、ステファン(・ランビエール)は参加できないけど、彼が戻って来られるように、何度でもオファーをかけていきたいです。ステファンが『このメンバーはすばらしいし、空気もすばらしい。楽しいのに、その中に真剣さがある。何よりファンの温かさを感じる』と言っていたし、これから長くIce Braveを続けられるように」

 そう語った宇野は、同志に対する思いが強い。その優しさや絆が、このショーの根幹にあるのだろう。その熱量が、観客を触媒に増幅されるのだ。

――『Ice Brave』というショーを手掛けて、ひとりの表現者として、"こんな反応があって面白い"と意外に感じたことはありましたか?

「そもそも僕の感性の方がズレているし、僕の感覚はあまり当てにならないんで()Ice Braveを始める前、"この公演を観に行きたいな"と思っていただけるようにと考えたんですけど...スケートをあまり見に来ていない人の感覚は、何が面白いのか、なんとなく分かるんです。僕が普段、そこまでスケートを見てこなかったからこそ。でも、めっちゃスケートを観るのが好きで、僕よりも何十倍もスケートを愛して観ている人の感覚はつかみきれていません。だからこそ、ライブでのお客さんの反応は気にしていますね。自分のパフォーマンスに限らず、どの人のどのパフォーマンスが感動を与えられたか、そういうのは大事にしています」 

――その点、本田真凜さんとのアイスダンスを採り入れたのは、ショーが大きくはねた理由のひとつだったと思います。

「あれは始まる前から"やること自体が驚き"だったと思いますね。それにアイスダンスをやるって以上に、ふたりの挑戦の仕方が真剣だったのはあったのかなと思います。自分で言うのもおかしいかもしれませんが、そういう姿って応援したくなるじゃないですか? なんというか、真剣さが垣間見える瞬間というのは、いいんじゃないかって」

1 / 2

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

宇野昌磨、本田真凜、ステファン・ランビエール「Ice Brave」新潟公演フォトギャラリー

キーワード

このページのトップに戻る