【ミラノ五輪】佐藤駿は羽生結弦の演技映像を見て気持ちを高め、三浦佳生から心に火をつける喝をもらった (2ページ目)
【ここに何をしに来たんだ?】
メダル獲得のためには300点前後が必要と予想されていた今回の男子シングル。2月10日のSPで連続ジャンプをミスして9位という結果になった時点で、佐藤のメダル獲得は遠のいていた。どんな気持ちでフリーを迎えるべきなのか、わからなくなっていたそんな時に、SP22位に沈んだ三浦佳生を食事に誘って話をした。
「佳生とは『フリーはどうしようか』とか『オリンピックはやっぱり難しいね』と、いろいろ話したけど、フリーはふたりとも何も考えずにいけると思うから頑張ろうと話していました。その時に自分は点数的にも『メダルはちょっと厳しいかな』と思っていたけど、佳生に『あきらめている場合じゃない! 駿はいけるからあとはやるだけだ』と強く言われて。その時に『ここに何をしに来たんだ?』と考え、メダルを獲りに来たんだとあらためて感じて、自分の全部ぶつけようと決心しました」
佐藤の頭のなかには、団体戦の時に考えた4回転フリップ投入も浮かんできた。フリー前夜も「どうするべきか」と考えてなかなか眠れないほどだったという。結局、演技前の6分間練習の直前まで迷ったが、日下匡力コーチに相談し、「団体と同じように体に染みついた今までの練習を生かすのがいい」との結論になった。
「4回転フリップの練習はまったくしていないのもあったし、エッジエラーを取られるかもしれないと気になる部分があった。先生は『駿の思ったとおりにやればそれが正解だと思う』と言ってくれたので、団体のいいイメージをそのまま持っていこうと思いました」
こう話した佐藤について日下コーチは、「自分が跳べるジャンプはこういう時には入れたくなるもの。その気持ちを抑えられたのは駿も大人になった証拠だと思います」と笑顔で演技を振り返る。
結果、フリー本番は冷静な滑りに徹し、最初の4回転ルッツをきれいに決めるとトリプルアクセルからの3連続ジャンプは、アクセルが少し流れるジャンプになったがオイラーと3回転サルコウをしっかりつけ、4回転トーループ2本も安定。最後の3回転ルッツは回転が少し乱れたものの、最後のコンビネーションスピンはしっかり回りきって演技を終え、ホッとする表情を浮かべた。
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