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【ミラノ五輪】「りくりゅう」が大貢献 かつて想像できなかったフィギュア団体銀メダルの意義 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Yoshiyuki Komiya

【今までの練習を信じて......】

 りくりゅうは、ミラノでの団体フリーをどう戦ったのか?

 団体の最終日、ペアは1番手で滑ったアメリカのペア、エリー・カムとダニー・オシェイが会場に火をつけた。乾坤一擲の演技で心を動かす。会場全体が熱を帯びた。結局、彼らが4位に食い込んだことが団体の順位も大きく決定づけたのだが、次のカナダ、イタリア、ジョージアとボルテージは上がり続け、選手たちが解き放たれたような演技を続けていた。

 りくりゅうは興奮のるつぼのなかリンクに立った。スタンドで日の丸が揺れるなか、『グラディエーター』の音が螺旋(らせん)を巻く。そのうねりで、力を引き出されたのか。

 冒頭のトリプルツイストを成功。3回転トーループ+ダブルアクセル+ダブルアクセルはトーループで回転不足がついたが、そのあとは完璧に近かった。5アクセルラッソーリフト、スロートリプルルッツでは高いGOE(出来ばえ点)を獲得。コンビネーションスピンは溶け合うようで、トリプルサルコウ、5リバースラッソーリフト、スロートリプルループと丁寧にエレメンツを仕上げ、最後のコレオシークエンスは万感に迫るものがあった。

 演技後、木原に持ち上げられた三浦が空中で左腕を突き上げた。三浦は氷上に降りてからも、ぴょんぴょんと小さく何度もジャンプ。木原はその姿を愛おしそうに見つめる。彼は国旗が振られるスタンドに向け、誇らしげに手を振った。三浦はお茶目に観客席へ向けて投げキッスを送り、キス&クライではハイタッチで迎えられた。

 155.55点というハイスコアで、堂々の1位だった。

「まず、大きなミスがなく終えられたのがうれしい。こっちに来てからもいい練習を積むことができていたので、ショートよりはちょっと緊張しましたが、考えすぎず今までの練習を信じて一つひとつ丁寧に取り組めたと思います」

 三浦は弾む声で言っている。

 一方、木原は「ショートのほうが緊張して、フリーは冷静にできました」と言って、こう続けた。

「前回の北京では団体戦のあとが難しくて。団体でメダルを獲った瞬間、目標を達成した感じがあったんです。ただ今回もショートは緊張したし、個人戦のシミュレーションにもなりプラスになりました」

 団体でりくりゅうがSP、フリーをどちらも1位で戦い抜いた姿は頼もしかった。

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