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坂本花織「マイペースすぎた」自分に喝! 最後のシーズン初戦は優勝逃す...人生を凝縮した演技は「まだ難しい」 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【21年間を詰め込んだプログラムに挑む】

 2018年平昌五輪以降、ブノワ・リショーと組んだのも含め、坂本は苦手の克服に取り組んでいた。だが、ラストシーズンと決めた今季、自分のスケーティングや大きさとスピードのある滑りを存分に見せたいと考え、「滑っていても心地よく、満足感が得られる」と自認するプログラムになっている。

 昨季までは場数を踏んでプログラムに慣れようとしていたが、今季、例年出場していたサマーカップには出ずにシーズン初戦をこのCSにしたのは、坂本のなかにプログラムに対しての自信もあったからだ。

 今後もう一度、プログラムを本格的にブラッシュアップする予定だという。自分らしさをしっかりと出せるプログラムだからこそ、坂本はこう話す。

「やっぱり21年間やってきたさまざまなものをプログラムの4分や3分弱で表現しきるというのが、自分のなかでまだちょっと難しいなと思うところもある。どうやって凝縮したらいいんだろう、と」

 これから1試合1試合演技をするなかで、ひとつずつ見つけ出していくものがあるだろう。坂本は、このCSの悔しさも残る演技で、ラストシーズンへの本格的なスタートをきったと言える。

レポート#2へつづく

著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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