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坂本花織「マイペースすぎた」自分に喝! 最後のシーズン初戦は優勝逃す...人生を凝縮した演技は「まだ難しい」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【上げるか下げるか、すべて自分次第】

 SP終了時点でトップの千葉とは7.86点差だった。逆転を狙った翌6日のフリーでも坂本はミスをしてしまった。

「ショートに比べたら、やっぱり集中力とか緊張感というのは今日(6日)のほうがまだ『試合だな』という感覚にはなったけど、まだまだ『初戦』という感じが抜けなかったので反省点だなと思います」

 フリーは、自分のスケート愛を表現したいという『愛の賛歌』。最初のダブルアクセルをきれいに決めると、そのままスピードに乗った伸びやかな滑りを続けてジャンプをこなし、フライングシットスピンと、重厚感のあるステップシークエンスはともにレベル4。

 充実の滑りを見せていたが、そのあとの3回転サルコウが2回転になったうえにダウングレードの判定。3回転フリップ+3回転トーループが3回転+2回転とミスを連発。さらに、ダブルアクセル+3回転トーループのあと、とくに点数的には影響はなかったものの、得点が無効になる3回の2回転トーループを付けるミスもあった。

「リンクから上がったら、中野園子先生に『ダブルトーループを3回跳んだのに気づいてる?』と言われて、『えっ』となって......。もう完全に抜けていて、言われるまで気づかなかったです」

 フリーの得点は、138.39点。合計は203.64点として、SP2位の三宅咲綺(シスメックス)とマデリン・シーザス(カナダ)を逆転したが、フリーで143.48点を出した千葉にはさらに点差を広げられる2位となった。

 それでも、坂本に不安な表情はなかった。

「これも経験だと思っています。次の試合はGPシリーズの1戦目で、1カ月ちょっと時間がある。このあと自分を上げるか下げるかは本当に自分の練習次第だと思うので、しっかり練習を積んで、次のGPでは後悔のない演技ができるように頑張りたいです」

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